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砂漠の月

第1章 砂漠の月00~70


今日は試験期間初日だからと試験範囲の確認と一つ教科を決めて判らないところを教え合うという約束になっていて、そこに月子も呼ばれたのだ。

「で、どっかわかんないとこあるのか?」
「えーっと……今の所試験範囲の課題にはないです。この間教えて貰ったところだけだったので」
「そうか。分かんないとこあったら言えよ?」
「はい」

勉強の準備が出来て、課題を開いた月子に晴久が声を掛け、少し考えた後素直に答える月子によしよしとまた撫でてから晴久も勉強を開始する。
前後と晴久とは反対側に座る市は生温い視線で晴久を見るが、本人には自覚がないのでイマイチ通じておらず視線に気づいて頭を上げた晴久に全員一様に何でもない、という風に頭を振ったり手を振ったりしてそれぞれの勉強に戻っていく。
月子は順調に課題をこなし、途中迷って手を止めると聞く前に晴久が覗き込んできてヒントをくれたり、元就が気付いて無言で一点を指されて間違いを教えて貰ったりと始終いたせりつくせり状態で勉強がはかどった。
黄昏時が過ぎる頃、切りが付いた面々がそろそろ帰ろうかと動きだし月子も荷物を纏めると思いだしたように鞄から包みを取り出した。

「そうだ、昨日時間が出来たので試験の息抜きに作ったんです。良かったら食べませんか?」

同好会で作ったクッキーの作り方を復習したのだと、小分けされた包みを差し出す月子に元就が最初に反応して受け取ると、元親、かすが、市、晴久と順にクッキーを貰っていく。
一旦鞄に終い、机を元に戻して学校を出ると正門をくぐったところでそれぞれがクッキーを取り出し口に含む。

「あ、これお抹茶」
「私のは紅茶だな」
「俺のはプレーンだぜ」
「我のはチョコか……」
「俺はイチゴか、これ」

全員が口にしたクッキーの味を言えば、全て違うことに顔を見合わせて月子を見ると月子は恥ずかしそうにはにかみながらコクリと頷き。

「その……材料が全部それぞれ少しずつ余っていたので生地だけ最初に作って分けて……同じ味じゃなくてごめんなさい」
「ううん、大変じゃなかった?」
「全然! 楽しかったです」
「そう」
「でも、晴久先輩にイチゴが当たるとは思ってなかったです」
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