第2章 砂漠の月71~150
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早朝、学校の準備を早めに終わらせて時計を見る。
まだ、元就が迎えに来るには早い…
昨日の、月子ちゃんと買い物に出た時に見てしまった光景に、ぎゅっと目を瞑り。
さっさと鞄を持って、1人で学校に向かった。
「晴久、市を見かけなんだか」
「元就もか?」
「は?」
俺も、月子を迎えに行ったけど会えなかった。晴久のそんな言葉を聞いて
…そういえば。早朝見た月子はどことなく気分が悪そうで、自分にたいしても口数が少なかった。
心当たりが無い訳ではなく教室に着けば月子は来ず、隣の席で座る市は気難し気に俯いてこちらを見ない
LINEで晴久に思い当たる節を述べ、授業が終わったと同時に市の腕を掴んで歩く。
「え、ちょ。元就!?」
「黙って着いて来い」
ガラリとある部屋の戸を開ければ、そこの主は何事かと首を傾げ
「おや、どうなされました?」
「明智、しばしここを貸せ」
「…分かりました、少し職員室に行っています」
泣かせるんじゃありませんよ。すれ違い様に言われた言葉に
まあ、無理だろうなとあえて口に出さずに了承した。
戸が閉まった瞬間に市を抱き上げ、ベッドに寝かせる様に降ろし。文句を言いたげな市の唇を己の口で塞いで貪る。
涙を零しながら縋る様に這う手を重ねて、唇を離すと市と目が合った
「我が離れていくと思うたな?」
「だって、あの時のお姉さんじゃ、市、勝てない」
「己がどんなに良い女だと、無自覚か馬鹿者め」
「いち、良い女じゃないもん、我儘で、勝手で、」
「全く」
其方から離れるなど永久にありえぬ。耳元で呟けば「元就、元就、」と名を呼んで抱き付いて来て。
どうしてこの娘は己に自信と自覚がないものか。
何度も何度も口づけば互いに抱擁しぴったりとくっつく。
流石に保健室で抱く訳にはいかないが…
何度もこめかみに唇を落として落ち着くまで抱き締め甘やかす。
「元就、嫌いになった?」
「この程度で嫌わぬ」