• テキストサイズ

砂漠の月

第2章 砂漠の月71~150


「昼飯食ってくか?」
「そうだな」
「何食う?」

目的の物を買えて気が緩んだ晴久は気軽に元就に声を掛け、元就も僅かに警戒を解いていた。
それがいけなかったのか、ショッピングモールを出たところで見知らぬ女性二人に声を掛けられた。
反射的に振り返ったが、元就と晴久の表情は固く無表情で冷たい視線で声を掛けてきた女性たちを見る。

「お二人ですかぁ?」
「良かったら私達とお昼ご飯食べに行きませんか?」
「断る」
「行かねぇ」

無造作に触れようとしてきた女性の手を避けながら、迷惑そうに一言で答えると晴久と元就はさっと踵を返してその場を離れる。
しかし、その女性たちは何を思ったのか後を追いかけてきて興味がないと態度でも言葉でも示している晴久たちに纏わりついてくる。
何度も手を伸ばされ、それを避けながら歩くがそれでは撒けないと判断すると二人視線を合わせて本気で走り出す。
人を避け、五分も走れば女性たちは完全に見えなくなり安堵の息を吐く。

「諦めの悪い……」
「疲れたな。帰って食うか」
「其方が作れ」
「へいへい。何があったかなぁ……」

不機嫌に呟く元就に、晴久も疲れたように応え外食をする気にもなれずに帰路に着く。
二人は女性を撒くことに必死だったから気付かなかった。男性陣が出掛けたからと市が月子を誘って買い物に出ており、逆ナンされているところをバッチリ見てしまったことに……。
/ 338ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp