第7章 派生③おそ松&チョロ松END
「松奈~。最高だったよ!」
頭を撫でられ、ムッとした。
おそ松さんは笑顔。ちゅっと私にキスし、幸せそうに私の頭をなでなで。
「眠い。眠いけど、超もう一回したい! ね、松奈。いいだろ!?」
「うるさい! 死ね! 早く出して下さい! それと重い!」
冷酷な声で言うと、
「え? 冷たい! 女の子にも賢者タイムってあんの!? なあチョロ松!」
「……なっ!?」
まだ挿入されながらぎょっとする。
全然気づかなかった。
ふすまがそーっと開き、緑のチェックシャツのチョロ松さんが、気まずそうに立っていた。
「…………」
「な……え……!?」
おそ松さんは私の中からゆっくり出ていき、私の頭を撫でつつ、
「何? 俺と松奈が仲良くしてるのを見て、一人シコってた?」
「う、うるさいなあ。二人こそ何だよ。昼間から……」
チョロ松さんは目をそらすが、ズボンの前部分を私に見せないようにしている。
「いえ私は被害者なんですが」
チョロ松さんの顔は真っ赤だ。チラチラと私の裸を見てくるし。
するとおそ松さんが、ティッシュであれやこれやしながら、
「なあ、もう皆、帰ってくると思う?」
「多分……さっき十四松を見かけたし、トド松もそろそろ帰ってくると思う」
するとおそ松さんが楽しそうに、
「よし。三人でホテルに行くぞー!!」
『はああ!?』
私とチョロ松さんの声がそろう。
いや、そんな場合じゃ無い。非常事態だ。
私は大慌てで身体をきれいにし、全速力で服を着る。だけど、
「離して下さいっ!!」
逃げようとする前に、おそ松さんが私の腕をつかんだ。
「まあまあ松奈。落ち着いて。お小遣いをあげるから。競馬に勝った金だって、まだ残ってるし!」
「そ、そうだよ。ど、どうしたんだよ松奈……お小遣い、欲しいんだ? いくら?」
前に立つのはチョロ松さん。
慌ててる私をなだめようとしてる風だが、その実、反対側の腕をがっしりつかみ離さない。
「勘弁してください。お願いですから……!」
涙目でチョロ松さんに訴えるが、おそ松さんが陽気に、
「大丈夫大丈夫! さ、行こう行こう! チョロ松、手伝って!」
手伝って、とは『逃げないように手伝って』の意味だろう。