第14章 マスターコース
サラサラした黒髪を撫でるとフッとちゃんの身体の強ばりが解けた感じがした
“男”として意識されてなくてもいい
けどこうやって頼られるのが嬉しい
ギュッとまるで離さないと言うように抱き着かれるとトクンと胸が高鳴る
『ん…りん…ご…』
名前を呼ばれるだけで嬉しくなる
何度も間違えられても“ZERO”としての活動を知っているから怒れなかった
もちろん龍也も
ずっと1人で頑張って来た子
今も孤独と孤高の中で頑張ってる子
自分は愛されないから作り上げた“ZERO”だけは愛されるように必死な子
ふと足を触ると酷く熱い