第6章 ある夏の一日
「そ、それにね、今日私、宗介さんがお仕事してるとこ見れて、すごく嬉しかった・・・宗介さん、すごくカッコよかった」
どんどん自分の頬が熱くなっていくのがわかる。そして、私を見つめてる宗介さんの頬も赤くなっている。
恥ずかしい・・・恥ずかしいけど、今日ずっと思っていたことだからきちんと伝えたくて、私は続けた。
「・・・もっと、もっと宗介さんのこと大好きになっちゃった」
「・・・」
「だいすき、宗介さん」
そう言って、宗介さんににっこり笑ってみせた。まださっきの涙が頬を伝っていたけど、どうしても笑顔で伝えたかった。だって宗介さん、いつだったか言ってくれた。『泣いてるよりも笑ってる私の方がいい』って。
「ヒカリ・・・」
「ん・・・」
そっと伸びてきた宗介さんの手が、色付いた私の頬に触れた。それだけで宗介さんの気持ちがわかって・・・ううん、私もそうしたくって、ぎゅっと目を閉じた。
「ふ・・・んぅ・・・っん、んん・・・」
甘い甘い宗介さんとのキス。でも今日はちょっと違う。私の涙も混ざり合って甘くてしょっぱいキス。
「んんっ、へ?・・・きゃ・・・そうすけ、さん・・・」
長くて優しいキスが終わって。まだしていたかったな、なんて名残惜しさを感じていたら、宗介さんの手が私の背中に回された。手を添えたまま、ゆっくりと宗介さんが私をベッドに押し倒す。
「ヒカリ・・・」
「っ・・・」
私の上に覆い被さってくる宗介さんに、痛いぐらいに鼓動が跳ね上がる。
「・・・あんなこと言ったのに、お前怪我してんのに・・・軽蔑してくれても構わねえ。それでもお前が・・・ヒカリがほしい」
熱を帯びた宗介さんの瞳が、間近で私を見つめてくる。
そんなの・・・私だっておんなじ気持ち。だってキスしてる時から、宗介さんの気持ち、伝わってきてたもん。
だから・・・
「うん。私も・・・宗介がほしい。いっぱいほしい。私を・・・宗介でいっぱいにして?」
きっといちごを通り越して、ゆでダコみたいに真っ赤な顔してる。それでも伝えたかった。大好きな宗介に、私の気持ち、全部伝えたかった。
「っっっ!!!・・・ばか、煽んな!加減しなきゃいけねえのに・・・ほんっとにお前は・・・」
宗介の顔、真っ赤だ。私とおんなじぐらい・・・ううんそれ以上に。すごく可愛い。