第5章 かれしかのじょ
ど、どうしよう、もういっそ先輩達に聞いてみようか。さっき気持ちを確かめ合ったんですけど、私と宗介さんってどういう関係なんでしょうか?って・・・・・・
でも先輩達は宗介さんのこと彼氏って言ってたし、普通はそうなる、んだよね?
「ヒカリちゃん?」
「ヒカリさん?」
渚先輩だけでなく、江先輩、怜先輩までもが様子がおかしい私を心配そうに見つめてくる。
・・・ダメ!そもそもこんな恥ずかしいこと先輩達に聞けるはずない!!
「ほら、みんな。電車来たから乗るよ。忘れ物無いように気を付けてね」
「あ、は、はーい!!ほら、皆さん、行きましょ?!」
真琴先輩がみんなを促してくれたのをいいことに、私も下に置いていた荷物を手に立ち上がる。
「さ、さあ!張り切って乗りましょ・・・きゃっ!!
「っ!・・・大丈夫か?ヒカリ」
「は、はい。ありがとうございます、遙先輩・・・」
逃げるように慌てて乗ろうとしたらまた躓いてしまって、そんな私を遙先輩が支えてくれた。
・・・こんな感じだと家に無事に帰れるかも怪しくなってしまう。
よし!決めた!家に着くまでは宗介さんのことは考えない!
絶対、絶対考えない!!!・・・・・・
・・・・・・うん、考えないって決めて考えないでいられるなら苦労はないよね。
先輩達と一緒の時は会話をしてれば意識がそっちにいかないからよかった。だけど先輩達とわかれて一人になった途端、頭に浮かんでくるのはやっぱり宗介さんのことばかり。考え過ぎちゃって自分の家の前を通り過ぎちゃって慌てて引き返して、なんだかこれって宗介さんみたい・・・なんてまた一人で赤くなったりして。
「はぁ〜〜・・・・・・」
お風呂から出てベッドに寝転がったまま、大きくため息を吐く。
せっかく宗介さんに好きって言ってもらえて幸せなはずなのに、私何やってるんだろう。
・・・でもわかんない。お互いがお互いを好きだったら、それってもう付き合ってるってことになるの?私は宗介さんの彼女なの?宗介さんは私の彼氏なの?
そもそも付き合うって・・・彼氏、彼女って・・・
どうしよう、全然わかんない。
・・・だってこんなの生まれて初めてなんだもん。