• テキストサイズ

いちご☆恋模様 色々詰め合わせ

第3章 きみに会えてよかった


「・・・・・・」
「はっ・・・しょうがねえなあ・・・っと」
「へ?・・・っきゃああ!」

そろそろ私も機嫌をなおさなきゃいけないのわかってる。だけど、ここまで来たらタイミングがわからなくなってしまって、そっぽを向き続けていた。そしたら急に身体がふわりと浮いて、気付いたら私は宗介さんの脚の間にいた。

「あ、あの・・・宗介、さん・・・?」
「・・・これでもまだ機嫌なおらねえか?」
「んっ!」

後ろからそっと宗介さんの腕が回ってきて、私の身体を包み込む。

「なあ・・・ヒカリ」
「っっ!!」

そして、私の耳元、吐息がかかりそうでかからない、そんな距離で宗介さんが囁くように言う。

「っ・・・ど、どうせ食い意地張ってますよーだ・・・」

・・・どうしてこんなに可愛くない言い方しちゃうんだろう。本当はもう、さっきまで怒ってたことなんてどうでもよくって、宗介さんに身体を預けて甘えちゃいたいのに。

「はっ!そうだな・・・・・・でもまあ、それでよかったんじゃねえの?」
「へ?」

どうしてまたこういう時に笑うかなあって少しムッとしかけたら、宗介さんの言葉には続きがあった。ほんの少しだけ、宗介さんの声に照れくささが滲んでるのを感じる。


「お前が水泳部入ってなかったら・・・・・・会えなかっただろ?・・・俺ら」
「宗介さん・・・」

私を抱きしめている腕に少しだけ力が込められる。顔は見えないけれど、宗介さんが今どんな顔をしているのか、私にはなんとなくわかる。


・・・食いしん坊が理由だって構わない。遙先輩達、水泳部のみんなに会えてよかった。色々まだ失敗してしまうこともあるけれど、いつだってあたたかく見守っててくれる先輩達が好き。頑張ってる先輩達と・・・そしてこれから入ってくるかもしれない後輩達を、これからも応援していきたい。


そして・・・・・・宗介さんに会えて本当によかった。

出会い方は最悪だったけど・・・きっとどんな出会い方をしてたとしても、私は宗介さんに恋してたと思う。

ぱっと見、身体が大きくてぶっきらぼうで怖い感じだけど、実は結構照れ屋で、意地悪なところもあるけど、本当はとっても優しくって。いつだって私を包み込んでくれる、そんな宗介さんが今もこれから先もずっと大好き。
/ 47ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp