第4章 とあるお話の裏では 【火神 大我】
「はぁぁぁ・・・暇・・・」
とある休日。
特に部活にも入っていない私は、こんな日はいつもゴロゴロしている。
今日はバイトもないから心が羽みたいに思える。
「・・・そういや、朝早く火神出かけていったな・・・」
まぁ、隣の部屋だから聞き耳立てなくても分かってしまうんだが。
「・・・部活か! 大変だなあ」
そうだ、どこにも行きたくないような日はピザにしよう。
何がいいかな・・・マルゲリータ?
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──30分前──
「──はい、次の配達」
「ウッス!! 行ってきやす!!」
「ちょいちょい火神君」
「なんすか?」
「これで午前中の配達は終わりだから、帰りにどこかでお昼休憩してきてもいいよ」
「!」
時間は守ってね、と付け足した店長。
火神は、自分の足が軽くなるのを感じた。
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テレビから流れるお昼のトーク番組を見ながら、乾いた笑いを響かせる。
「はは・・・最近はみんな天然キャラになってきたな」
女優のT・Aも、俳優のY・Kも、大体みんな天然キャラだ。
昔は堅物なのが流行ってたらしいのにね・・・時代は変わるね。
「ははは。・・・・・・あ、ポテチなくなった」
カサカサと乾いた音がやけに無機質な部屋に広がって消えた。
すると。
───ピンポーン
「あ」
ピザかな?
いつもは1時間かかるのに。早い。
「はーい」
インターホンに出ると、「・・・ピザっす」なんて生意気そうな声が聞こえてきた。
ったく。最近の若者は。
でも・・・なんだろう、この声。
聞いたことあるような気がするけど・・・。
「はいはーい」
まぁいいか、と鍵を開ける。
・・・え?
「・・・・・・火、神・・・?」
「・・・ピザ・・・っす」
・・・え・・・?
火神・・・?
──なんで!!!!?