第2章 ◆Dear◆(妹サイド)
でも
今日姉様と直接会って話せて、笑顔もたくさん見られたし…そんな不幸のどん底ってわけでもなさそうだってわかって。ちょっと安心した。
だから
やっぱり渡したい。あの指輪。お祝いっていうより、いつでも姉様のそばにいるからっていう…何ていうか、姉妹の絆?は、恥ずかしいけど、それが私の正直な気持ちなんだもん。だから、いいよね?渡したって。せっかく準備したんだし。
でもきっかけが…。赤ちゃん産まれたら?でもそれじゃ出産祝いみたいだし…。披露宴まで待つ?…のもちょっともう。ずっと誰にも秘密で私が保管しておくのも不安…
あ。
櫻井が戻ってきたら渡そう!で、何かあったら全部アイツのせいにしてやるっ!発注したのも櫻井だもんね!
「よし!そうしよっ」
「?」
「早く、帰ってくるといいねっ」
「…うん…(どっちのことだろ。主人?それとも…翔??)」
「♪」
ちゃんと姉様に渡せたら…そうね、特別に姉様のウエディングドレス姿のコレクション、見せてあげてもいいわ。櫻井、すごく見たがってたのよね。衣装選びの日なんて、私が一緒に行くから来るなって言ったのにあいつ、コッソリ女装までして忍び込んでて…。ま、気付いて追い出したけど。危うく通報するとこだったわよ。
でも!このミッションが無事に成功したら、今度こそちゃんと見せてあげるわよ、櫻井!だから半年とか言わないでとっとと戻ってきなさいよっ!!
じゃないと…
あの細かくて口うるさい超ストイックな濃い顔の執事、追い出せないじゃない!!(←本音)
2015/3/30