第1章 ◆Fly high◆(執事サイド)
「んん~…」
マジでヤバいな。少しでも寝とかないと、時差が…。
目を閉じても無駄なのはわかってるが、無理矢理、眠気を呼んでみる。
この飛行機が着陸する頃にはもう、すべてが終わっている。なんせ俺がすべての段取りを整えたのだ。タイムスケジュールから何から、全部頭の中に入ってる。俺はただ、何事もなく、無事にことが運ぶことを祈るだけ。
そうだ。それがせめてもの…
「…」
わかっていたこと
全部
今更なんだ?
…うん
わかってる
俺は
結ばれなくても、構わなかった
ただ、あなたにお仕えできれば
あなたの傍で
際限ないワガママに振り回され、時にこちらも悪態をつきながら
ずっとそんな感じでいられたら
いつまでもその笑顔を
あなたを
見守り続けられるのならば
それだけで