第1章 ◆Fly high◆(執事サイド)
昨夜
タブーを犯してまであなたを抱いたのは
本当は求められたからなんかじゃない。
私が
この自分が
偽りでないことを、証明するため。
あなたへの愛が
本物であるということを
ここにちゃんと、あるということを
ただ
お伝えするため。
あなたに頂いたものにこたえる言葉を、俺は持ち合わせていないから
ボキャブラリーの問題ではなく、己の欲望を、この内側のものを、口に出すことは、決してしてはならないことだから
何のせいでもない。
俺は
自分の意思で
彼女を抱いたんだ。