第1章 ◆Fly high◆(執事サイド)
「あー…ダメだっつってんのに…」
妄想爆裂。止まらない。まだ夢の中かよってくらい抜け出せない…。
ただ
それが幸せな夢なのかどうか、もう俺にはわからない。
現実は、走り出している。俺のシナリオ通り、滞りなくことはすすんでいるはずだ。
見えない未来にすがる気はない。
ただ
もし万が一芽吹いたものがあるなら
俺はいつでもその道に飛び降りる。
その時何をしていたとしても。
それだけは確か。
何を置いても
何を捨てても
それ以上のものなんてないから。
無責任?
いや、至極真っ当な判断だよ。
だって俺は
…お嬢様
私が本当に欲しいものは、昔も今も変わってはいないのです。
たったひとつだけ
プライスレスなもの
それは
あなたの
すべて