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第24章 まほろばの家 byアロエリーナ・のさまじょ・millie
「あぁ‥それなのに、治せなくてゴメン。
俺は能無しだ。何の力もない、クズ野郎だ‥」
だんだん情けなくなってきて、涙が溢れた。
和也の肩に顔を埋め、肩を震わせる。
和也は優しく背中をさすってくれていたが、
おもむろに両手で俺の頬を包み、
自分の目線まで持ち上げた。
「だから、無能じゃないって言ってるでしょ
」
そして、さっきより深い口づけをしてきた。
「どうしたら伝わる?こんなに好きなのに。
翔も俺を想ってくれてたなんて、嬉しいのに」
和也は切ない表情で、俺の顔を覗き込んだ。
――え、ちょっと待って、今なんて‥
「すっ‥好き?‥和也が、俺を?
まさか、さっき起きてたの‥?」
動揺して、声が裏返り、頬が熱くなる。
「そうだよ。寝たフリして、ちゃあんと
翔の昔話、聞いてたんだからねっ。
恥ずかしくて、目ぇ開けられなかったけどっ」
和也も、耳まで紅く染め上げていた。
「もっと翔に、ありがとうを伝えたい。
もう二度と自分を責めたりしないように‥
キスだけじゃ、足りないよ。
ねぇ、どうやって伝えればいい?」