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第24章 まほろばの家 byアロエリーナ・のさまじょ・millie
触れただけの唇が離れると
和也は照れくさそうに、はにかんだ。
「これは、ありがとうの気持ちだよ」
「何年もずっと病室の風景しか見てなくて、
このまま終わるんだろうなって思ってた。
でも翔が連れ出してくれて、
色んな景色を見せてくれた。
ただの白い世界が、カラフルに染まったんだ」
俺は何も言えなくて、ただ和也を見つめた。
和也は、キスしたのが恥ずかしいのか
いつもより饒舌に語っていた。
「翔には本当に、感謝してる。
何なら、そこらの健康な人より幸せ者だよ。
不慮の事故で逝くより、マシだと思う。
こうやって一秒一秒、噛みしめるように
人生を大切に生きられるって、
すごくない?
そう思えたのも、翔が居てくれたから‥
俺のしあわせはここにあるんだ。
ありがとう」
そう言って微笑む和也が
たまらなく愛しかった。
抱き潰したい衝動にかられたけど‥
抑えて、ふんわり包むようにハグをした。
「俺も感謝でいっぱいだよ。
俺の方こそ、人生変えてもらったんだ。
親の言いなりだった俺が‥
お前を治したい。それだけを糧に‥」