第21章 生かせ生きるだけ恨まれる
18回は、王馬くんの側にいるせいで、逢坂さんが誰かに殺されそうになった回数。
35回は、王馬くんの側にいるせいで、逢坂さんが王馬くんに殺されそうになった回数。
考えついてしまえば、なんてことはない。
悪の組織の総統なんてアンダーグラウンドな才能を持つ彼のことを、どうして疑わずにいれたのだろう。
<バイバイ、最原ちゃん>
電話口でそう聞こえるのと同時。
耳をつんざく爆破音がして、大きく地面が揺れた。
天井が崩れてくるなんて、まるでフィクションみたいな光景を見上げて、僕は呟いた。
「……嘘だよって、言ってくれ…」