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【王馬小吉】出演者達に休息を(ダンロンV3)

第18章 得意不得意




「泣いてるの?赤松ちゃん」
「…ううん、大丈夫!王馬くんもほら、はやく雪に謝らないと!」


背後から聞こえてきた声に、赤松が振り返った。
選択授業の準備を終えて教室から出てきた王馬が、首を横に振って赤松を見つめる。


「謝らないよ?」
「…え?なんで?」
「いやいや、むしろなんで?」
「……雪たぶん泣きたいくらい恥ずかしかったと思うよ?あんまり注目浴びるの好きじゃないし」
「だからなんでオレが謝るの?」
「………」
「普通の声のボリュームで話してた俺と最原ちゃんに視線を向けてきたのはみんなだよね?別にオレはそれを画策したわけでもないし、最原ちゃんに反論してただけだよ。オレは雪ちゃんに命令なんてしてないし、辱めたわけでもないよ」
「……それは…そうだけど……」
「オレは彼女にプレゼントしたネックレスを、肌身離さずしてて欲しいだけだよ」


オレは雪ちゃんに、執着してるからね。
パッと笑ってそう言ってみせる王馬に、赤松がほんの少しだけ、恐怖を感じた。


「…雪の気持ちは?」
「失礼しちゃうなぁ、ちゃんと考えてるって」
「それは、考えてないよ」
「考えてる」
「……っ」


なおも詰問しようとする赤松から距離を取るように、王馬がパッと彼女の横を通り抜け、背後に回った。


「他人のことより、赤松ちゃんは自分のこと考えなよ!悪いくせじゃない?」
「王馬くんは、自分のことよりもっと周りのことを考えた方がいいと思う!」
「たっはー!超高校級の総統に向かって、言うねー!オレにそれでメリットがあるなら、考えなくもないよ!」


彼は楽しそうに笑い、笑い。
まだ話は終わってない!と追いかけてくる赤松から、逃げ出した。


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