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【王馬小吉】出演者達に休息を(ダンロンV3)

第14章 歪な恋心




自分を取り繕う為の嘘が、彼女の心に小さな傷をつけていくのが分かる。


『…ごめん』
「あはっ嘘だよ。本気にしちゃった?」
『……』
「あーぁ、でもなんかもう疲れちゃったなー。こんなにオレばっかり好きで、オレの思い通りにならないなら…雪ちゃんのこと捨てちゃおうかな」


反論をすればいいのに、彼女はオレがまくし立てる言葉に切り返すことができずに俯いて、ただオレの腕の中で、小さく縮こまってしまった。


「ね、雪ちゃんのこと捨てちゃってもいい?」


愛を囁いた口で、彼女に毒を盛る。
それでも黙ったままの彼女の態度が気に食わなくて、顔を覗き込む。
すると、顔を背けるように彼女は後ずさって、ベッドに転んでしまった。


『……っ…』
「……ちょっと、危ないよ。頭打ったんでしょ?」


ベッドに近づいて、彼女の顔を見た。
彼女は涙で濡れた綺麗な顔を、オレに向けた。


『…………っあ………』
「…………」
『違う、違うの、なんというか…嬉しくて、その』
「……嬉しくて?」
『う、うん……』






『そんなに心配してもらえると思ってなくて…』






彼女はそう言って、申し訳なさそうに俯いた。




『……あ、なんだっけ。何か言ってたよね』
「………」
『ごめん、そんな顔しないでよ。オレばっかり…なんて言ってたっけ』
「……そんなの」
『…なに?』
「そんなの、ずるいよ」




あぁ、まただ






またそうやってキミは、オレの所有欲を乱暴に煽る









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