第2章 超高校級のロボット博士
「え?逢坂さんまだ欠席なの?」
「そうなんすよ。最原君なら何か知ってるかと思ったんですけど…知らないみたいっすね」
もう寒さも増して、冬に入ろうという12月。
珍しく最原を訪ねてきた天海から、逢坂がもう1週間も休んでいることを聞いた。
「朝待ち合わせてるのに、何も聞いてないんすか?」
「ううん、一応、プロジェクトを完成させたいから少し休むとは言われてた。行けるようになったらまたいつもの時間に行くから、待たないでって」
「……へぇ。で、1週間経っても連絡がないのに放置してたわけっすか。最原君ってずいぶん余裕があっていいっすよね」
「え。いや…仕事の邪魔しちゃうかなと思って、気になってはいたけどしなかっただけだよ」
天海は最原の何が気にくわないのか、久しぶりに会話したというのに、どこか喧嘩腰だ。
思い返せば、天海と二人きりで話すというシチュエーションは数える程度しかなく、その時間もひどく限られていたように思える。
要は、最原と天海はよく遊んだりする仲とはいえ、あまりお互いのことを知るほど関わったことがなかった。
「俺はそんな控えめに様子見ていられないんで、知ってるなら彼女の家の場所を教えてほしいっす」
「………え、家に行くの?」
「連絡しても返事がないんだから行くしかないでしょ。で、知ってるんすか?」
「返事がない?それって…大丈夫なのかな」
「それを確かめに行くんすよ」
「…彼女の家は知らない。でもそれを知ってる人物なら知ってる」
「それってオレのこと?」
どこから二人の会話を聞いていたのか、最原の背後に隠れるように王馬が立っていた。