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【王馬小吉】出演者達に休息を(ダンロンV3)

第12章 キミの匂いを忘れない




オレの言葉を笑って聞いていた彼女は、言葉のニュアンスから、オレが本気で言っていることに気づいたらしい。
彼女はオレから少し離れて、動かせるようになった片腕で、オレの頭を撫でた。


『…逃げたりしないよ。大丈夫』
「………。」


一瞬でも見逃すことがないように、彼女の挙動をじっと眺めた。
そんな監視するような目で見ないでよ、と彼女は軽く笑って、オレの視界を片手で隠した。


「…雪ちゃん」
『ん?』
「本当に今が一番幸せだと思ってるの?」


視界を遮る雪ちゃんの手を掴んで、避けた。
彼女は少し驚いた表情を見せた後、水面に笹舟を浮かべるかのように、とてもとても慎重に、言葉を選んだ。


『うん、幸せだよ』






今が一番幸せ






雪ちゃんにとっては、それはそうなのかもしれないけど















「……ふーん。でも、オレはさー…」













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