第10章 オレとボクのライアーゲーム
『…明日もダメ』
「えー?じゃあ明後日かー。これ以上の譲歩はないからね」
『……明後日も』
「…ふーん。状況整理に三日もかけるの?超高校級のロボット博士が聞いて呆れるね」
『帰るね』
王馬よりも先に歩き出し、早足で距離を取ろうとする。すると彼はその逢坂の手を掴み、引き寄せて抱きしめてきた。
『…離して』
そう言っても、途端に王馬は口を閉ざしてしまって、返事が返ってこない。だんだん堪えていた怒りが湧き上がってきて、王馬を引き離す為に腕に力を込めた。
『……っ…離して!』
突き飛ばすように王馬を押しのけた。
一瞬、交差した王馬の目は、今までに見たことがないほど寂しげで、悲しみが浮かんでいた。
「……バイバイ、逢坂ちゃん」
消え入りそうな彼の声が聞こえていたのに
逢坂は返事を返すことなく
その場を後にした