第5章 バレーボール解禁
「そんなツッキーに、俺から1つとっておきのアドバイスだ。
よく聞いておけよ?」
「波瑠!」
ツッキーと別れ、体育館へと戻る俺の前を歩いていた波瑠に声を掛ける。
「あ、黒尾さん。
どうかしたんですか?」
「ちょっとツッキーが呼んでたからさ、行ってくれるか?
体育準備室」
「蛍がですか?
分かりました、ありがとうございます」
踵を返し、準備室へと向かう波瑠。
なんてな。
ごめん、嘘ついたわ。
ツッキーは俺が焚き付けといたし、人は滅多に来ねぇ場所。
下準備は完璧だぜ、ツッキー。
俺がせっかくここまでしたんだから、何もありませんでしたじゃ済まされねーからな。
波瑠と会うほんの少し前。
「覚えたか?」
「...はい」
「そしたら、そこの準備室に居ろ。
俺がそこに彼女ちゃん呼んでやるから、あとはごゆっくりな」
「はい?
ちょ、黒尾さん、それって」
「じゃ、ガンバッテネ」