第3章 保健医×にのみや先生
胸が高鳴って、顔が熱くなる。
私が考えてることも、全部全部先生にはばれてるのかな。
背中に回した腕で、ぎゅっと、先生の白衣を掴むと、
先生の掌が伸びてきて、私の唇に、そっと人差し指が充てられる。
秘密だよ、って言うみたいに。
「今日だけだからね」
わかってるよ、
今日だけでもいいよ、
誰にも言えない秘密でもいい、
そう返事する代わりに、私はいつもの言葉を返した。
『せんせい、大好きだよ』
いつもみたいに、少し困ったみたいに、少しあしらうみたいに、
くすって照れ笑いをしてから、
先生は、私にキスをした。
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