第27章 変化
ラウル「技巧…半端ないっす…」ぽつり
ぶんっ←ハンマーを持ってる手の方向(右)へと振る
ケイト「どうした?それまでか?」
ぶるるるるる←ミノタウロスが頭を左右に振って答える
「ヴッヴッ…ヴモオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」
ぴりぴり
ケイト「おー?怒ったか?」
ハンマー片手にケイトは未だ真剣な表情のままで、再び連撃に対して全て逸らし続ける。
アイズ「全然有効打を浴びていない」ぽつり
フィン「防御面に関して言えば彼女は鉄壁だ。おまけに…」
リヴェリア「?何だ?」
フィン「いや…攻撃にムラがない。流れるような動きだ」
ティオナ「綺麗…」
レフィーヤ「魔力が…動きに逆らわず常に寄り添ってる?」
ティオネ「まるで…踊ってるみたいね」
ガレス「最早…芸術品の域に達しているのお」
ベート「遊んで生きてきたわけじゃないからな」
フィン「一日に必要なそれは必ず自らが狩りに行っていたらしいからね。
まあ…今にしては、僕達もあの半分ぐらいはできるようになったわけだけれど」
こっくり←ロキ・ファミリア首脳陣(一軍)が頷く
ガレス「ようやっと、背が見えてきた所じゃの」
リヴェリア「もう一度同じ修業空間で合宿をしたいものだな」
ベート「けっ。たった数時間を伸ばし過ぎなんだよ」
フィン「ベート…そのお陰で強くなれたんだ。
感謝こそすれ、誹る道理はない…違うかい?」
ベート「……
…ちっ…お人好し過ぎんだよ、あいつは」ふいっ
ティオナ「そこが美点なんでしょ!ケイトの。
わかってないなあ、ベートは。
私はいい所だと思うよ?なんて言うか…優しさの表れだし?」
ティオネ「確かにそうね…
放っておけないっていうのは、それだけで利用されそうだけれど」
フィン「そこは僕らがカバーすればいい。
ケイトは、その辺は不得手だろうからね」微笑
アイズ「ケイト……いつか…絶対に、追い付いてみせるから」
そう雑談し合う中、隣で真剣な表情で声に出すアイズがいた。
もう、独りにはさせないから。と――