第97章 神無(しんむ)
癌一同は
自分一人の感情を満たす為なら
手段を選ばない、見境も無い、躊躇もしない、なんでもする
そして責任も取らない、罰も受けない、逮捕もされず罪も平気な顔をして着せて回る、その後の後始末も全て人任せ
主犯格の癌に至っては、感情任せに直走り暴走するそれが人助けの為だからと、人を言い訳に利用して上記の行動を平気で取り蔑ろにする
そして笑い掛ける…何も酷いことなんてしていませんよ?という顔で…何も無かったかのように……犯罪現場も街も仲間と一緒に闊歩して……
それこそが、それ(在り方)を善と感じること(罪)こそが、癌と半グロか、それとも逆の実在化に与する神々かの線引きとなる
そして…それは、逆もまた然り
原初の始祖神にどう抱くか、感じるか
それだけでも罪になるし、善にもなる
だからこそ…『原初の始祖神一人の感情』は、何ものよりも最重要視される
原初の始祖神はたった一人で…己が命と自我と記憶を対価としている…『己を除く』全ての実在化の為だけに
終いには自分の名も忘れる
何をしてきたのかも、何を思ってきたのかも
生きてきた理由も、頑張ってきた理由も、何を感じどう生きてきたのかも…
自分の全てを捧げて…自分という全てが、無になってでも…
そうなってでも…守りたい…必ず守る、その想いの結晶だから——
だからこそ…その存在の抱く感情は、反応は、何にも勝る価値の見分け方法なのだと……そうなるのだと………
しかし…それは、感情を優先することであり、それは日々移ろいゆくもので安定しない
今日はいいけれど明日はダメと変わってしまうことも多々ある
それに振り回される側はさぞかし辛いだろうと…頭を抱えていた
感情任せの暴走を、無罪化を要求する犯罪行為を、非を認めない悪質さを、許す訳では無い
寧ろ取り締まる側だからこその葛藤、懊悩、苦悩
その危険性を最も深く理解し、重きを置いているから…
だが…だからこそ任せられる
責任を取れ、背負える…
そんな原初の始祖神の感情は、責任も取らず人のせいにして逃げて背負わぬ癌や半グロの感情とは、全く、根本から異なる
どんなに感情任せに消すことになったとしても、背負わぬ殺しならぬ消滅を齎すこと等いっぺんとして無い
だからこそ任されたのだと…
——責任を背負え、繰り返させぬ者こそが…真なる神なのだから
