第95章 神(しん)
それから程なくして…
一年という月日が過ぎていた
にしても…
ここまで濃厚な日々は、そうは無いだろう
ケイトが死ぬなんてことにはならないまま
大事に時を過ごしていける
それが当たり前になって欲しいと、切に願いながら……
僕達は年を越した
結婚式の様子は、各国の首脳陣の頭のみに抑えられ、内々に処理され
今僕達は、大事に密月の時を過ごしていた
神国においての新年での慣わしとして…
初詣は…神像へ祈るらしい
で、おみくじもお守りも神国神殿が売買してくれているそうだ
子供(孤児)が折ったり作るのを手伝ったらしい
そのお金は子供達や神職者、管理者の生活費等に回されるのだとか
神殿では、ぜんざいも無料で配られている
一人三杯までと制限が決められている
テロップ『参拝(さんぱい)繋がり?』
オヤジギャクはやめようか(顰めっ面)
おせちとお雑煮については…
各家庭へメニューを年末に伝達され、希望のおせちとお雑煮が冷蔵庫へ届けられる(送られる)らしい
僕達も既に済ませていた
ので、後は食べるだけだ
給仕の方は、皆休息を取らせていて実家へ里帰りしに行っている
お年玉も新年になった瞬間に、全国民(神国のみ)に与えられる始末だった
歩くコタツのお陰で…凄く暖かく済んだ
外出でもどこでも助かるね…
だが……
昨年までの自分を
ケイトと出会う前の自分が見たらなんて言うかな…(遠い目)
ふっ…
有り得ないね(冷淡に笑う)
としか思えないだろうね(瞑目し苦笑する)
嘲笑すらしただろう(薄ら笑い)
頭がイカれているとしか思われない自信しか無い…(瞑目したまま腕組みし頷く)
そんな想いに駆られるのも当然、とばかりに、皆が皆挙って頷いていた
少し抜けてる所はあるけれど…
可愛いよね
でも芯はしっかりしていて、結構強いんだよね…
寝ているケイトにそう評していた
全く大きい事件も無く
起こったらまあそれはそれで対処するつもりではいたのだけれど…
宇宙との友好貿易、同盟関係かな?強いて言うなら…
まあそれもこれも…
原初の星々が、表立って矢面に立ってくれた、仲介役を買って出てくれたのも大きいのかもしれない
第一に…安心して過ごせるように、馬鹿をやってる人達を食い止めてくれたのだから……実力行使で——(遠い目)