第92章 新たな神武(しんぶ)
初代『私だってえええええええええええええ』
やれやれ、意地っ張り(強がり)は一緒か
そんな溜息がそこかしこから零れた
ぎゅうっ
それまでその場に、ケイトの前で膝を付いて目線を合わせて話していた初代が泣きじゃくる
それを、尻餅をついたままのケイトが抱き締める
ケイト『なんだって叶えるから言ってよ
今からでも!!
いっぱいいっぱい叶えよう
必ず行くから
いっぱい…たくさん
これからはずっと
側に居るから
一緒に居れるから
私も中に入って削られるよ
一緒に頑張らせてよ
何もさせないなんて馬鹿なことさせないでよ
私だって膜を与えられたんだからやらせてよ』
初代『っ(ふるふる震え)
………
うん…←目を瞑り双眸から止まらない涙を零す
ありがとお』
ケイト『こっちの台詞だよ
無茶お母さん』
初代『うん…
ごめんね
ごめんねっ
ケイト『なんにも悪いことしてないじゃんかああああ』
初代『愛してる
ケイト『私の方が愛してるうううううううううう
初代&ケイト『わあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ;;;;;;』
大号泣(想い)の大声(産声)が上がった
二人で抱き締め合って、その場で泣き崩れながら、
互いに縋り合うかのように、わんわん泣きじゃくり出した
これまでの鬱屈とした想いを、溜め込んだ抑圧された欲求を、全て吐き出すかのように――
『そっっっっっっっっくり』ぽつり
その在り方から、ぶつけられてやっと本音をぶちまける返し方から、何から何まで、
行動原理から想いの内容まで、全て同じであることに…僕達はそう感じざるを得なかった―――
だから選ばれたのだと――僕等では出来ないとも、そうも強く痛感させられた
それらの道のりも、痛みの経路も併せて、『この上なく優れた武徳』という意味合いで、『神武』と記された
涙ながらの想いも、痛みも、苦しみも…全て呑み込んで、光へと変えて、温かな想いへ換えて、全てへの恵み(実在化、守り、解呪)とする――『徳が高い在り方への賛辞』として―――