第90章 未来への展望
最も左側に、順に、原初の精霊所か全てへ背を向けたままの主犯格の癌と癌と隠れ癌等々、無数の闇(人を見ない心)
それを背にして、それから皆を守るかのように立ってケイト(右側)へ向いた原初の精霊が中央の左側に、
最も右側に、世界全体を表現するかのように数多の手と共に描かれた、無数の光(人を見る心)、
それを背にして、ケイトへ向かってそれぞれに手を指し伸ばす7人の次期原初の神々と、
それらを背にしたケイトが原初の精霊へ向かう所を、中央の右側に配置されたものとなっている
その絵画は、ステンドグラスの周囲においても影響が及んでおり
全ての闇が、左側の原初の精霊の外周のみを覆う形態となっており
全ての光が、右側のケイトの左拳のみに集約させる形態となっており
幻想的な光景として、賞賛と共にその絶妙に凝らされた創意工夫が遺されることとなった
その光を浴びるだけで癒され、その闇に触れるだけで不調ごと吸い取ってもらえ、その絵画の前に立つだけで非常に幸に深く満たされたという――
その絵画の名は――『レクイエム(鎮魂歌)』
「全ての闇」を鎮め、『光』へと転化させた――
未だかつて類を見ない、比類なき肖像画として名を知らしめることとなった―――
『神の力』が及んでおり、宿っており…民衆から大いに愛されることとなり、それは…各国へ散らばってもなお、効果を如何なく発揮したという―――――
『祈り』――
せめてものお返しとして受け取る最中、
記憶が段々と欠落していっているのを強く感じていたように見えた
不安と焦燥に駆られる中…急に持ち掛けられた提案に、僕等は面食らった
一人残らず…
だってそうだろう?……
二度と同じ記憶を手に出来ない中で、何故僕等のことを気に掛ける?
何故…皆が大丈夫であるようにと、魔力の量が少ない今の内にと、魔石を作ったりする?
280年生きるはずだった体
本来の寿命は300年というのに…
それが67年にまで縮まる程の負荷を掛けてしまっていた
主犯格の癌一人のせいで、それを後押しし妄信する隠れ癌達のせいで、癌達のせいで――
だと言うのに…怨み言一つ言わず、何故献身的でい続けていられる?
人間の百年で言う所の…約22.3歳で死ぬと言うのに……そうさせた人々へ何故怒らない?そうさせたのは‥他でも無い存在する全てだろうに
