第90章 未来への展望
命の恩人であるミルキ
守られた冒険者は、その面倒を買って出ていた
本来なら、冒険者も寄り付かず安全な場所であった
窓際のベッドから寝た切りで動けずとも、孫娘と幸せに、笑って暮らせる程に……
だが…その平穏は、人為的に壊され、死に陥らされた――
荒くれ者には荒くれ者のルールがきちんとある
それを自ら率先して破っておいて
何抜かしてやがる
という話なのだ
寝た切りの患者への魔術式←1634ページ参照
それをやたら作っていた理由は…そこにあった
あの時の
「だれ、か…
だ、れ…か……」という最期の言葉は…
ミルキ「弟子からの施しは受けん!」
ケイト「ならいいもん!勝手に守るもん!!」ぶすーっ!!
ミルキ「ふんっ…
好きにせい」ぷいっ!!←嬉しそう
ケイト「ふふっ^^」
ミルキ「なんじゃ!!」
ケイト「なんでもないよ^^
おじいちゃん、大好き」微笑
ミルキ「ふん…//」
お蔭で家族と時間を過ごせたこと、幸せに生きれたこと…
そして…喪ったこと……
全て語らった後……
ミルキ「もしもわしが死んだら…後のことは頼む」ぽつり
ケイト「へ?」きょとん
冒険者「親父!
お?メシア様!!!?」
ケイト「あ、ごめん。込み入った用事だった?」
冒険者「あ、いいえ!!!そんなことは!!
どうぞどうぞ狭苦しい所ですが
ミルキ「はっ!そこを紹介したのはどこの誰だ!恩人に向かって」
冒険者「は!?;
でもお金が掛からない場所がいいって
兎も角孫娘が一番平穏無事に健やかに過ごせれば何も要らないって
ミルキ「余計なことを言うんじゃない!!!!」カンカン
ケイト「あっはっはっはっはっはっ^^」
ミルキ「何がおかしい!!!」ぷんぷん
ケイト「いや…本当に、優しいなあ^^
おじいちゃんは」にこにこ
ミルキ「ふん…
褒めても何も出んぞ」ふいっ
冒険者「へ?お知り合い?」きょとん
ミルキ「用が済んだらぱっぱと出てけい!!!」
ケイト「は~い^^」
冒険者「また来るからな!親父!
何か欲しいもんあったらいつでも言えよ」
ミルキ「やかましいわ!!」
ばあんっ!!←扉へ枕を叩き付ける
ミルキ「…‥…ありがとうよ」ぽつり
半壊した家から出てきた遺言書
「孫娘を守ってやってくれ…
唯一の身内なんじゃ
頼む」
を伝える為のものだった……