第83章 剪定
気が遠くなる程のキスを終えて…
ようやく解放された僕等は席に座った
のも束の間……
ケイト「……‥生きてていいの?」ぽつり
項垂れたまま…
机の何もない部分を凝視したまま…静かに呟いた
さざ波が、揺れと共に音を立てて僕等を揺らす…
机の上に置いた左手で、ケイトが拳を握り締める
よく見ると震えていた
それを見た僕等の反応は……同じだった
『……』
ちらっ
くすっ
『^^』
フィン「当たり前だろう?」
ぎゅうっ
そっ
ケイトの右側から抱き締め、僕は左手で左肩を掴んで抱き寄せ
未だ机の上に置いたままのケイトの左拳の上に、右掌を重ねる
フィン「傍に居るし、生きていて欲しいと思うよ…
君が、そう願うように…
何より…そう思ったからこその裏返しだったんじゃないのかい?あの涙は…
少なくとも僕は…そう思うし、嬉しかったよ」微笑
ケイト「!」瞠目
ばっ!!←顔を上げる
フィン「ふふっ^^
ありがとう――ケイト
僕達との生を、望んでくれて、願ってくれて…
その為に、泣いてくれて、泣く程に死を嫌がってくれて……
死を望むばかりだった君が、ここまでに、想ってくれたこと…本当に、嬉しく思うよ」微笑
ケイト「唖然)…
(微笑)」じわっ←涙が滲む
フィン「ケイト…愛してる」瞑目微笑
ケイト「私も…^^
愛してるよ、フィン」瞑目微笑
目に涙を滲ませながら、目を閉じる
涙が頬を伝い、落ちていく…
どちらの目からも、透明な雫が落ち、互いに交わり合い、甲板に落ちて行った
そのまま…甲板に映る影は一つとなり、交わり合った――
ティオナ「いいなあ~」
リヴェリア「しっ
空気を読んでやれ」
アイズ「後で…楽しもう?」
ティオナ「う~ん」
アーニャ「その間にまとめ作るニャ!
つまり「癌」は~~~…
自分を助けてくれた恩人に見向きもせず思い遣りへの仇返し、その言動への自己正当化、繰り返し続ける、良心も痛まない悪辣無比(あくらつむひ)!←メモメモ
でも…何で好きになるだけで消えるニャ?」
『恩を仇で返す行為を善だと歪めるから』
ティオナ&アイズ『それも一緒になって』
リュー「自分しか見えないから、何してもいいと際限を無くす
それが自己正当化の言動だと気付かず、同じ行動を取る同士になっていることに気付けないまま染まる
簡単な話です」嘆息