第82章 光芒(こうぼう)
ケイト「だ…れ、が」
男「ん?なんだ?
はっきりと言え
聞こえんなあ?」にやにや
ケイト「だれ!が!!」
白く瞳が発光していた
ケイト「音を上げるもんかぁああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
怒号となって響き渡ったそれに
きいいいいいいいいん!!!!
総帥「おのれえええ!!
もっと痛め付けろ!!身の程を弁えさせてやれ!!!
殺せ!!!殺せ!!!殺し尽くせええええええ!!!
精神が死のうが構わん!!!!やり尽くせえええええええ!!!!」
総帥の声とは真逆に、僅かに男の口角が上がった
ケイト「………」震&痙攣
ガクッ
叫んだ後…
浮かされたまま、酸欠で気絶するそれに
通信機越しに何度も命令が下る中、男は言った
男「よく言った…)←にやり
総帥…」
総帥「なんだ!!?」
男「ここから出すことを所望します」
総帥「何を言っとる!!?」
男「飴と鞭
実にいい言葉です」
総帥「それがどうした!!?」
男「これ以上は鞭が過ぎます
鞭が過ぎれば壊れます
壊れれば元も子もありますまい
始祖神の魂もまた自死してしまうことでしょうな
そうなれば…組織の夢は遠のく
飴が過ぎても毒となる
何…加減には気を付けます
異論は…ありますまい?」
総帥「くっ…(わなわな)
許可する」
男「ありがとうございます」
カメラに向かって頭を下げる
総帥「ちっ…食わせ者が!!」
通信機に伝わることもなく、歯噛みし言葉を紡ぐ
総帥「忌々しい狸めが!」
男「強いては、耐え抜いた褒美として餌を所望します
飴には相違ありますまい?」
総帥「ええい、勝手にしろ!!」
強引に切られた通信機の声を耳にし、男は小さく笑った
男「よく頑張った…よく耐え抜いたな←頭撫でる
本当に…本当に……よく似ている
妻「あなた、逃げて!!
私に構わないで!!」
娘「パパ!もうやめて!!逃げてえええ!!!」
あの2人に…
こんな時まで―本当に)
…」すっ←お姫様抱っこで抱き上げる
ぐいっ
男「まずは洗濯と着替えが先か
上乗の出来栄えだな」ふっ
廊下で、運ばれながら…俺は……
感じる何かの温かさに触れて安心したのか…意識を無くした
妻と娘が、それまで彼が守ろうとした子供達が、常にその男の側にいることを…感じながら