第82章 光芒(こうぼう)
ケイト「や、め
うああああ
いああああああああああああああああああああああああああっっっっ!!!!
ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
全身が焼かれたような痛みに包まれる
赤い煙がそこら中に巻かれ、こちらだけに向かってくる
穴という穴から焼かれる感覚が全身を覆い尽くし、内から、外から、同時に全身を内外問わず焼き尽くされていく感触に包まれていく
ピクッ
ピクッピクッ
ケイト「げふ
こっ、ふ」
咳き込んだまま、瞑目し、痙攣する
男「耳と口と目は繋がっている…
透過した煙は毒となって体を蝕み、痛みを強く与える
そして浸透した後に、痛みを昇華させる」
ぐりっ←鳩尾を再び踏み付け
バキッ
ゴキッ
ケイト「ぎゃあああああああああああ!!」涙
男「絶望の痛みにな!!
肋を折っただけでこれだ…
念の為にレクチャーしておいてやろう」
ケイト「っ…」
痛みのあまり痙攣したまま動けない俺の腕を取った
ケイト「!ぐっ」瞑目
男「腕が掴まれただけで痛いだろう?
それだけで折られるぐらいの痛みを与える
いいか?」
すっ←手を左腕に触れる
男「僅かに触れられるだけで、掴まれる」
ケイト「っ!」
男「掴まれただけで、強く握り締められる」
ケイト「ぐっぁ」
男「強く握り締められれば、折れる感触が」
ボギ
ケイト「ぎゃあああ」涙
男「折られれば、腕が千切れ飛ぶ痛みと感覚が」
ヒクッヒクッ
男「さて…
ここで問題だ
腕が千切れ飛べばどうなると思う?」
ケイト「やっ、め」震涙
男「頼み事は一度きりだ
二度目はない
それでも…お前は選ぶのか?」
ケイト「っ、ぅっ
やれよ…」
男「やって下さいだろう!!!?」かっ!!
ごしゃっ!めきっ!ぶぢぢぢぢ!!
ケイト「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああっっっ!!!!」涙
全身が千切れ飛ぶ痛みが全身に走り、滂沱の涙と共に慟哭を上げた
男「痛みを知れ
絶望しろ」
コツ、コツ←ベッドの枕元の後ろ側を歩く
ヒクッ、ヒクッ←痙攣したまま気絶寸前になる
男「ここに来たからには、逃げ場はない」
白い手袋を外し楓の模様が付いた右掌を、額へ押し付ける
男「俺も、お前も、な――」