第76章 冒険者依頼(クエスト)、来訪
彼は瞠目していた…
震えていた…
父上の言う、伝説の再来が、目前に拡がった
眩いばかりの光景を前に、打ち震えていた
後光の差す、神々の攻防を思わせる激闘を、前にして――
父上は、タイムマシンによる反動で、今にも死にそうな老人と化していた
彼から聞いていた
太陽の紋章…
それは、太陽の惑星記号であり、死と再生の象徴であり、不死鳥の再来とされた。
蛇の目紋(じゃのめもん)と呼ばれる紋様だった…
ケイトの額に浮かぶ『紋様(⦿)』に、目を釘付けにしていた
そのまま…ケイトは斬り結んだ
ケイト「水破斬(すいはざん)――!」
超高圧の水をチャクラム状に繋げ、切断する薄く鋭い『水の刃』と化す
途中で切り、遠心力を付けたウォータージェット、カッター(水の斬撃)となる
左手に持った脇差を、右脇に振りかぶり、そのまま遠心力を携えながら、技を解き放つ
更に、技は続く――
ケイト「水破斬・螺旋(らせん)」
無数に張り巡らされた全ての水破斬を繋げ、螺旋状に展開する
ケイト「天雹霤䨩(てんびょうりゅうりょう)」
球状に圧縮して雹状に固めたものを弾丸のように解き放つ、大気や水中に存在する水を応用する為四方八方隙間なく襲い掛かる
矢継ぎ早に、瞬間さえの余裕も与えず連撃が続く
そしてリヴァイアサンの体制が崩れた瞬間、これまでの技の感触から確認していた魔石の位置に向けて放った…
ケイト「必殺――
絶空(ぜっくう)・螺灌(らかん)!」
一点貫通型、空間ごと、理そのものを貫く
螺旋(ドリル)状に回転しながら注ぎ込まれることで成り立っている
ケイトの『必殺技』
『究極の神の御業』だ――←3639,3671ページ参照
元は『エンド(3638,3639ページ参照)』、その発展版だ
強制的に事象、理、その全てに対し『終焉』を齎す
リヴァイアサン「ぐがあああああああああああああああああああああああ!!!」
リヴァイアサンの断末魔を最後に
文字通り消え去った…
灰も残さず…ドロップアイテムは、神の力によって浄化の力を発し続ける、神具と化していた
エル「……凄い」ぽつり
うん、そうだね…
後光が天上から差す中、
ケイトは振り返り、満面の笑みを浮かべた。
これでもう、安心できるだろ?
そう言わんがばかりの表情で…