第76章 冒険者依頼(クエスト)、来訪
フィン「統括ではなく、管轄では?」
ケイト「どっちでも同じさ
やってることはね」
そうして…こうも続けた。
自分で生み出した「不始末(クソ)」、
その後始末を、自分で付けず、『やってもいない人や世界の全て』に着せて回ること、
上記の行為を繰り返すこと、減らす努力をしないことを、『他』をかえりみず正当化する。
その「正当化に凝り固まる本質」を、我々(原初の神々)は「癌」と呼んだ――
その「癌」を、こちら(原初の世界)に入れないこと。
及び、癌化を防ぐ抵抗力、染まらない力を、身に付けさせること。
それが…学び場たる『この世界』を生み出した目的だ。
世界は多岐に及び、分かたれている。
癌の世界が無く、
『神界・霊界・地獄、幽界(あの世)・幽現界(あの世とこの世の境目、三途の川)・現界(この世)』のみに分かたれている理由はそこだ。
神界と幽界には、『原初の神々の使徒』がおり、
幽界では閻魔様、神界では様々な神がいる。
基本は先程挙げた6つの枠組みのみで成り立っている。
癌を、こちらに入れたら世界は終わりだ。
好き勝手に扱うのが目に見えている。
学び場という段階に当たるもの、神という段階でもその学びを支えサポートするものが、この世界に派遣されている。
癌
主導権を決して渡そうとしない
自分だけで凝り固まっている
人の想いを汲み入れない!
神
主導権は極力全員に
全部に寄り添う
汲み入れる
現世以外では、全てが筒抜け
相互理解に、言葉も何も要らない
気持ちも感情もイメージも、抱く、感じる全てが伝わる
だから…上辺等、なんの意味も持たない、なんの役にも立たない。
上辺ばかりがどんなに良くても、
やって許されることと、許されないことがあると思う。
表面だけ、どれだけよくたって…人の心に、想いに、報いてやれるのは……
他者を知り、気に掛け、寄り添い、思い遣り、尊重し、配慮し、慮る…『気遣う心』だ。
それを欠いてしまうから…ありとあらゆる災禍が生まれてしまう。
取り返せない失敗もあるから、考えて行動すべき。
何が呼び水になるか、わからないのだから…
最も業(ごう、この場合の意味は罪)が深い。
魂が自壊する、その自壊に世界ごと全てを巻き込むほどに…
それが、それこそが、癌を敵視すべき理由である――
