第74章 融和
ケイト「どうして?」
フィン「自分の勝手で、他を勝手にする
それを、正しいと思っている内は絶対悪だ
勝手に扱うことを、弄ぶと言う」
ケイト「勝手にするってどういうこと?」
フィン「そうだね…
(すっ)←ナイフ差し出し
このナイフで誰かを傷付けてくるんだ」
ケイト「ええ!!?;」
しまいしまい←ナイフしまう
フィン「勝手にするとは、そういうことだ」
ケイト「なんだあ;」ほっ←胸を撫で下ろす
フィン「人への愛情を推し量るのに、他を傷付けて回ることを使うのは間違いだ
『人を大事にする』とは、「他をどれだけ害せるか」では決してない
それがわからない内は、悪のままだ
『人と向かい合って、見て、耳を傾けて、聞いて、知って、その想いに寄り添うこと』
人を大事にするとは、愛するとは、そういうことではないのかな?
「他を傷付ける為の理由にすること」では、決してないんだ
人を試すものでもないと思うよ…」
ケイト「わかった!
そんなこと言われたら、こっちから絶交だって言ってやる!」
フィン「その意気だ
もし、仮に、滅茶苦茶にされたら、どう思う?
実を取って回り、傷付けて壊して回ったらどう思う?」
ケイト「みんなが困る!」
フィン「そう…徒に、無闇に、手折っていいものではないんだよ
勝手にした分だけ、傷付けて回った分だけ、壊して回った分だけ、
周りだけじゃない、ここに立ち寄っただけの人達まで、みんな困ることになる
傷付く人だっている
それを正しいということには、決してならないんだよ
正しいと、認識する理由に人を使った時点で
それは悪にしかならない
必要以上に害することも同じだ」
ケイト「ね…」
フィン「ん?」
ケイト「いくら指摘しても…
物事を素直には受け取らずに誤解して、自分が悪く扱われていると思う。
そんな人には、どうしたらいいと思う?」
フィン「どうにもならないさ」
ケイト「え?」
フィン「いいかい?
聞く耳も持たず、自分にとって悪いかどうかでしか判断できない
人にはそれ相応の事情がある、
だが自分の事情や勝手、感情だけを押し付けて、「勝手に扱う」ことを正しいと思う
そんな人には何をやったって無意味だ
悪いことをしているとは思わないんだ
思いたくもないから、尚更必死になって相手を落とすんだ
時間の無駄さ」