• テキストサイズ

Unlimited【ダンまち】

第74章 融和





フィン「君が謝ることではないよ

第一…彼がもう少し、周りへ目を向けられる人間で在れば…

いや、そうであってもこうなったのだから
もう、いくら何を言った所で詮無いことだ」


ベリアル「人を犠牲にして、手に入れたものには、なんの意味も無い、価値も無い。
己を賭して、粉にして、犠牲にして、手に入れたものにこそ意味があり、価値があるのだ。

人を犠牲にする内は、決して成長に等繋がらず、学びに等なり得ない。
そこに痛みを感じない内は、教訓にも、学びにもならず、意義がないままだ」

ケイト「っ…」涙

ベリアル「なでなで)…

犠牲を、傷を、無駄にするのだから、減らせるそれをも、まともに取り合わないのだから。


そんな人じゃない
そんな指摘は、なんの意味も無い。

それは…肝心の、問題となる、本人の在り方には、何ら変化も影響も齎さないのだから



自分の言動が発端で、やりたいことは叶った。
だが、その裏で、誰かが死んだ。犠牲になった。人生が滅茶苦茶になった。

そのことに痛みを感じない限り、考え無しにやりたい放題する点は改善し得ない。
無駄な犠牲を削減等出来ず、元来防げていたはずのそれも、繰り返され続ける一方となる。

軽薄なのだ…」


アイズ「一体どこで、間違えたの?」

フィン「全部だよ

彼の取る選択、全てが間違いだ
だから癌なんだ

君達が、哀しむことじゃない。
哀しむべきではない。


自分の理想が叶えば、その裏でどんな実害が出るか。
考え無しに力を振るえば、思い通りにすれば、どんなものが起きるか。
わかっていてやったんじゃない、だから罪が無いとは決してならない。

実害も、傷も、想いも、痛みも、全て無かったことにはならない。
そこに痛みを抱かない内は、感じない内は、どうにもしようがないんだ。

だから…無駄なんだよ。


いくら改心を願った所で、上辺だけさ。
肝心の点がわかっていない限り、感じていないものがいくら想像したってどうにもならない。

代償でも何でもない」

ケイト「守りたかっただけだろ…?」

涙声が静かに響く、何の物音も無い世界で…


ベリアル「ああ。
だから害した。
そうでないものまでをも――」
『!』

ベリアル「だから…そこに痛みを感じない限り、「癌」でしかない。

その道から、結末から――抜け出せはしない、決して」真剣


/ 5987ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp