第74章 融和
リヴェリア「しかし、この結界はなんなんだ?」
『……』
ケイトを覆っていた結界は、解けてはいない
だが、ケイトが作った結界についても気になる
全くと言っていいほどに、外の時間が動いていない
キルア「ケイトを覆っている結界はベリアルが張ったもので、ケイトを無力化する為のものだ。
仮死状態を維持する目的のな。
つまり…ベリアルのやってることが終えるまで、目を覚まさせない為のもの。
絶対止めに、割って入るから。
ケイトが何とかしようとして、で……俺らも、その泣きじゃくるケイトを無視できないから…
だから、ケイトを起こすことは、絶対できない。
創世神の力が無い限りは……」
フィン「八方塞がりか…(腕組)
始祖神の分体ごと眠らされている。
他の分体が束になった所で、創世神の軸がなければ力は纏まらない。
軸なくしては……力の軸となる存在が欠ければ、いくら集めたとしてもバランスが崩れ、崩壊する」
キルア「ああ。
軸ってのは、支えで、制御盤みたいなもんだからな」
ラーニェ「だが、何故ケイトは笑って攻撃を受け入れた?」
キルア「理由は単純、ケイトが作った結界にある」
フィン「ああ、そこに関しては僕も思う所がある。
結界に入れるものの基準は、ケイトを心から心配して駆け付けたものだけ。
つまりベリアルもまた、それ目的だったということだ」
アーニャ「つまり……ミャー達だけってことにゃ?」
リヴェリア「そうとは言い難いだろう…
重婚志願者だけではないはずだ。
事実、アルとディも入れた。
精霊王が入れても不思議ではない」
ガレス「だが何故来ない?」
『……』う~ん
リヴェリア「ブランシェやノアールも来ない所を見るに精霊絡みで何らかがあるのだろう。
内容はわからないが…」
フィン「ともかく、出来ることをしよう」
キルア「と言っても限られてるぜ?」
リヴェリア「分体の力をケイトへ直接送り込み、ケイトの中にある分体へ働き掛けるのはどうだ?」
キルア「!
結構過激だね…
いーじゃん、何らかの弾みで起きるかもしんない」
椿「このままここで手をこまねいているよりはマシ、か」
アイシャ「私は反対だ」
『!!』視線がアイシャへ集まる
リヴェリア「…何故だ?」真剣
アイシャ「ケイトが壊れ兼ねない。
リスクが大き過ぎる」