第69章 文明開化
人を動かす力とは、権威や権力にものを言わせて、振りかざすことではない。
人の心を感じられない、血の通わぬ命令を下すものでもない。
一人一人、関わる皆の心を考え、具体的に細かい配慮ができる人。
人一倍苦労してきた人。
そんな人にこそ、本当の『人を動かす力』は自然に備わるのだと思う。
人の心に、感情に、そういう立場だからと無碍にしていい理屈はない。
命に違いはない、人の心を向けること、忘れるなかれ。
しかし横柄で傍若無人な人を人とも思わないことをして笑っていられる人は、都合よく振り回されるだけなので気を付けること。
何事も程々に、バランスよくなるよう努めるべし。
ケイト「悪事をしたとしても、事情あるかもだから、ちゃんと聞きたい。
で、力になりたい…」
フィン「何故だ?」
ケイト「?何でだろ?」
フィン「自分でもわかってないのか…;」
ケイト「…多分…自分も、そうなっていたかもしれないから…
皆、感情も心もある。
誰もが、その危険性をはらんでいる。
だから…力になりたい。そう思うんだと思う…
一度も、助けられなかったから――」
フィン「なるほど‥記述すべきはそちらかもしれないね」くす
持つべきは、その、他を考え、慈しむ心だと入念に書き記した。
どんな人でも見捨てたくない。
それは間違いではない。
同じ思いをするとわかっているのなら、防ぐ為に話す。
聞かないのならわかっていてやっているのだから放置するしかない。
本人がその気になるまで待って、その時になってから出来る範囲で助力する。
本当の優しさとは、強さとは…される相手の身になって考えること。その心や感情を考えて動くこと。
最期までその人を捨てず、切らないこと。
切れないからこそ自分で自分を追い詰めてまで解決法を見いだそうとした。
だがそんなものはなかった。
人によって異なるし、聞かない人、まともに取り合わない人の方が多い。
なのだから、その人へは静観する他ない。
本人の幸せを願ったまま…
本人が自由にしたいのなら、させる他ないのが実情だ。
強制であってはならないし、自ら努めなければ防げるはずもないのだから…
といった旨が記述されていった。
単純に纏めると…
『己が取る言動には全て責任を持ち、される側のことを考えること。
人が在ってこその自分で在る』だ。