第69章 文明開化

どんなものでも見捨てないのは結構だ。

だが…各々には役割がある。
人のことも考えず、それを往々に搾取することへ転じたものの末路は全て地獄落ちだ。

気持ちや想いは誰にでもある。都合も…


だがそれを無視してでも…と、我を通そうとする人の方が多い。

往々に搾取し、彼の自分主導に誰も疑問も感じず、振り回される身近でない元敵の仲間のことを考えない。

搾取される側からすれば、道を一切合切否定され、拒絶され、力尽くで止められ、想いや経緯を知っても悪者扱いされて距離を置かれる始末。彼等の都合のみ悪くなれば招集され、体よく力のみ見られ、利用される。
その前にしてきた全てを一切悪びれずに…

力を貸してくれる仲間、とやらにする態度ではない。


到底人にものを頼む態度ではない。
天然とは言え、やっても裁かれない、咎められない、責められない、とされるのが当然とは思えない。

それも、誰も指摘しない、本人も変わろうとしない…
「傷付けたくない、殺したくない」という主張も自分の為ではないのかと感じるほどに、ただ感じたまま無責任に言うだけ、人のことを考えていない。
自分のことしか考えておらず、殺された記憶を持ちながら彼の仲間を治す気持ちも、それを受けても改めず同盟に猛反対し悪者扱いされ続けられるやるせなさも、自ら止めを刺したデイモンの「惚れた女性の為にボンゴレに全てを捧げた生き様と死に様」を見ても、彼の死に際の言葉を受けても、想いがわかっても…

初代の気紛れにも近い武力縮小命令により、襲撃を受けた際に唯一の恋人を殺されて喪い、恋人の愛したボンゴレを強くすることで二度と同じ結末を辿る人を減らそうと己の全てを捧げ続けた経緯。
初代と同じく彼の気紛れで無責任な言葉が追い打ちとなり、消え去る間際…「お前のやり方を見せてもらいましょう、沢田綱吉。ただし名を汚すようなことがあれば許しませんよ。
エレナの愛したボンゴレなのだから」と彼に掛けた言葉も…

命を…引き継がれてきた想いを…


継がない、だがリングも何もボンゴレに纏わる全てをボンゴレには返さない。命を狙われてるから。

自らの勝手のみを通し、笑い続ける。
自分だけ甘い蜜をすい、当たり前のように笑い、馬鹿にしているかのように感じる。


不思議なまでに、彼主導で都合のいいように『のみ』回り続ける。
不思議なバランスの上で…