第62章 新たな邂逅
アスフィ「そうですね…
彼のしていることは、図らずともその貴族と全く同じことですし…」
リュー「身分を笠に着ずとも、仲間が頑なに「そういう人じゃない!」と口々に言う所はそっくりです。
下々の価値観を押し付けるな、というそれ…
奪われた側の気持ちを一切受け付けない態度が」
『……………』
アスフィ「ケイト…結果が出ました」
ケイト「?」
アスフィ「あなたのその意思を押し付けられたとして…この国から出たい人は、一人としていないそうです。
あんな理不尽など、もう二度と遭いたくはない。
その気持ちは同じであり、私達の総意だと…そう、言っています」
リュー「私も同じ気持ちです。
喪うのは…奪われるのは、もう沢山です」
ティオナ「私も…大事に思ってた人と戦わされて、奪うことを強制させられて…色々あったけどさ……
やっぱり、嫌だよ。
奪われたことも、あるにはあるんだけど…ね」
ケイト「………(俯)
…なんか………ごめんね……付き合わせる形になっちゃって」
ティオナ「もー!そうやって気にし過ぎ!^^」ぽんぽん!←頭を撫でる
ケイト「いや……嫌な思い出を、思い出させちゃったかなって
ティオナ「責任感じなくていいんだよ!」
ケイト「でも…私は、私のそれに、言動で生み出されたことに…きちんと、向き合いたいから」真剣
本心からの想い…それは目を見れば明らかに伝わってきた。
双眸を見据え、しっかりと目を逸らさずに受け止め、自らがしたことと、私達と、私達の気持ちと向き合おうとしている。
アスフィ「誠意が感じられる言動…痛み入りますが、くれぐれもお忘れなく」
ケイト「?」
アスフィ「私は…あなたを選んだんです。
他でもないあなただから、流されず何が善か、真剣に考えられるあなただから。
「相手がそんな思いをしなくていいように」という気持ちを、包み隠さず向けることができる人だから…
見返りも求めず、人の幸せを自らの幸せのように喜べる人だから…
私達は、あなたを選んだのです。
守りたいと、思ったのです。
私達は、私達の意思で…考えて決めたんです。
それだけは…無視しないで下さいね」微笑
ティオナ「うん!皆で話し合って決めたもんね^^」
リュー「頷)ええ。愛しているが故です」微笑
やっと、私達が抱く想いを伝えられた…