第59章 承継人
ケイト「純白な毛布に、一点の墨汁がこびりついて取れない目障りな汚れみたいな!」ギリッ!&ぎゅっ!←拳握り締め歯噛みする
テロップ『嫌に具体的?!;』
そう歯噛みするケイトに、それほど嫌う理由が何となくわかった気がした。
生き方だけではない、極めようともしないままでも乗り越えられる現実。
力の使い方も無暗に殺そうとはしない。
だが…肝心な一点のみのせいで、彼は死後…決して天国には行けない。
フィン「あれほど嫌うのにも理由があるはずだ」
ケイト「だから嫌いな点を頑張ってあげてるんだよ!
思い出せば出すほど何でか嫌なことばかり出てくるし;
見ただけで吐き気が込み上げて、まともに見れなくなったし;」
フィン「どうしても気になるか?
殺しをしたことが、殺した後でその後の言動に何も反映してないことが」
その時…僕は誘導尋問した。
ケイトは既に…答えを知っている。
それでもそれは、彼女の頭の中では『明確化された状態』ではない。
そのまま、吐き気がすると言う現実だけが『彼への嫌悪』を示し続けている。
その答えを浮き彫りにする為、肝心の一点を見つめさせるよう仕向けさせた。
ケイト「だって…だって!
地獄落ちの判定にもろに引っ掛かってんだもん!!
それもど真ん中、どうあっても逃れられない!」
フィン「だから嫌い、か……」
椿「どうあっても逃れられないから、余計にか」
ケイト「だって勿体ないって言うか……」
アイシャ「好きだったからこそ嫌いとなった、ということかい?」
ケイト「他の世界で…阻止する為に、色々試したのってあるのかなあ…
……ダメだ;
今、無限大の世界を全部見て、阻止ルートを探してみたけど全滅だ…;(がっくし&俯)
……あ!」
気付いた、か…
それも…また別ルートのものだが……
たった唯一、地獄落ちから改善させている世界がある。
フィン「別の世界の君が色々と手を回したり孤軍奮闘したんだろう…?
どうだい?
奮闘の結果、一つ以外全て地獄落ちから救えなかった現実は」
彼の魂の前世は、初代だった。
だが、その時もまた同じ罪を犯して地獄落ちを経験した。
そしてまた同じことを繰り返しているわけだが…
それもまた、見ていて嫌悪感を抱く要因の一つなのだろう。