第32章 破滅の狼煙
~おまけ:5月8日寝る前~
背を向けたまま寂しそうな苛立ったようなフィンに対し、私は戸惑った。
いつもなら真っ直ぐ正面から抱き締め合って寝ていたからに他ならない。
はっ…まさか!始祖神の人格があるのが気持ち悪いと!?;←勘違い進行中
ケイト「どうしたの?;ねえ、フィン?;」
背を向けたままのフィンに、私は思わずその背に手をかけて揺すった。
が、反応も無かった。
フィン「……」
その時の僕は考え事をしていた。人格が二つあることの意味を。
背を向けていたのは、壁と向かい合うことで考えることに集中する為に他ならない。
あの時は始祖神が表に出てきていたのか?
どちらもが一つとなった人格なのか?
いや、しかしロキは性格は同じだと言っていた。←1103ページ参照
今はもう、どちらでもあるともケイトは言った。←1100ページ参照
つまりは…一つになっているということ…
もう、ケイトは…始祖神であり、ケイトとなった?
そこに…僕の知っているケイトはいるのだろうか――?
ケイト「ぷるぷる涙目)…っ;;
言ってくんなきゃわかんないよ!!!;
嫌いになったの!?どっち!!?;」涙
フィン「ビクゥッ!!)!!
(くるっ!!)どうs……」
ぼろぼろと涙を零すケイトに、僕は言葉を詰まらせた。
フィン「…いや…正面から抱き締めれば、お腹に足がかかりそうで不安でね?^^;」
ケイト「後ろから抱き締める?
フィンの温もり欲しい。無きゃ眠れない;」ぐすん
フィン「駄目だろう?また足がお腹にかかる(きっぱり)
…こうしようか」すっ
ケイト「?」
言いながら僕はケイトの腕を抱き締め、ケイトの胸に背を埋めた。
フィン「これならどちらも満足できる。
起きたら目一杯抱き締め合おう、正面からね^^」
ケイト「…///(ばああ!!)
うん!^^//」頷
その時…腕を抱き締める力を強めながら、僕は結論を出した。
今はもう始祖神と一つになった。だとしても変わらない。
この想いが消えるわけでも、ましてや変わるわけもない。
たとえどのように変化しようとも…
それでも僕は…君のことが好きで堪らない――
この想いに、嘘はつけない。
だから…変わらず、ケイトとして接し…愛し続けよう、心から……生涯をかけて……