第14章 怖がりなもので
変な見栄を張らないでいれば良かった。そんな後悔も今更だろうか。
「だってさ、オレの気持ちがその程度って思ってるんでしょ?」
「は?……え、えぇ?ちょっと待て。今のコレってそういう話だったか?」
「オレ、ずっと好きだったし。これからも好きなのに、酷くない?」
むくれてるのも可愛い。いや、じゃなくて。
マジで潤の中でどういう話になってんだろう。こんがらがってきた。
オレは嫌われるのが怖くて。潤にとってはそれは酷いことで。
嫌いになるはずが無いのに、オレが心配して怖がってるのがもっと酷いことで?
つまり、オレは思ってた以上に愛されてるってこと?
にやけそうになる口元を隠そうと、潤の首筋に顔をうずめた。
「………オレも潤のこと好きだし、これからも変わらずに好きだよ」
「え、何?急にどうしたの?」
「いやぁ、何かさ、めちゃくちゃ愛されてんなぁって思ったから」
「ってことは……今から思いっきり愛してくれるってことっすよね?」
潤の言ったことはアタリだ。
だから、仕切り直しのキスをしたくて堪らなかった。
ひとまず誘うように言っといて、照れてるだろう潤の顔を見たい。
ちゃんと、目を見て。