第81章 mayday
side.M
思考を蝕む熱。背中に伝わる体温と、僅かな重み。
制御しようも無い喉から、声が漏れ出る。
逃れたいけども、両腕は自重すら支えきれない。
「まって、ぁはッ、あ、ふ……んん゛っ!」
「なぁ、気持ち好い?」
「ん、んぁ!しゃべん、なぁっ!!」
カラフルになった視界が、一瞬にして弾ける。
耳を擽る低音が、ぐちゅりと聞こえるのが、なけなしの理性を奪っていく。
処理が間に合わない程の快楽で、自分のナカが痙攣してるような気がする。
背後で息を詰めるのが聞こえ、責め立てる動きが緩んだ。
やっとの思いで後ろへと視線を遣る。
ばちりと目が合い、片目を眇めて笑う彼が映る。
それは、駄目なヤツだ。
「ん?一回、出すか」
「ちが、ぅッ!?そ、ダメ……ひぁ!あ、ぁ………あぁ」
ぐにゃりと歪んで、眩んだ。
緩慢に責めていた指先が、打って変わって激しくなった。
先端をなぞり、裏の方を撫で上げ、性感が勝手に高められていく。
じたばたと動く四肢は、己のコントロール下にない。
濡れたシーツに顔をうずめ、必死で耐えようと足掻く。