第63章 Just begin
「三人なんだから、除け者にするなよ」
「ふふ、かぁわいい。お前も来たら」
「待って。膝っていうか、足が折れるんでやめて」
潤くんの内容は察しが付いたけど、その次がアレだ。
流石、斜め上を行くひとだ。
一味どころか二味くらいは違ってる。
ま、俺の骨が心配だったから丁重にお断りして。
それがお気に召さないのか、何故か二人でむくれてみせる。
ねぇーと意味も無く笑い合ってるのも面白いけど。
潤くん、キャラ的に翌朝のダメージが凄まじいだろうなぁ。止めないけどさ。
「いいじゃん。オレとリーダー侍らせる機会って無いし」
「酔ってますね。別に、そんなんじゃないですよ」
「えぇ?でも、お前、そういうコトがしたいんだろ」
そう言って、大野さんが俺の太腿をそっと撫で上げる。
まるでハジメテみたいに、びくりと自分の肩が跳ねるのが分かった。
もう堪んない。美味しく頂かれるのかなぁ、なんて。
何て、甘い想像だろう。
「ニノが誘ったってことで良いよな?」
「だよねぇ。ま、駄目って言われても貰うよ」
向かいから、白くて綺麗な指が俺の首筋に触れてくる。
ガチャン、と食器がぶつかる音がしたけど、気にしてられなかった。
潤くんからの接触を受け入れているのを、大野さんがじーっと見つめる。
触れられたところが熱いのは勿論だけど、見られてるのも火が点いてどうしようか。
嵌まっちゃうかもなぁ。一回きりとか考えたくないや。
何はさておき、愉しみましょうか。
その後で、考えるべきを考えれば良いんだから。
「はぁ……強引ですね。仕方ないので、どうぞ?」
俺は、二人にとびっきりの笑顔を見せる。
己が最も魅力的に見えるように。
昂揚と興奮とを一切合切、隠しもせずに笑ったんだ。