第56章 ココアに浮かぶマシュマロ
「んふふ………だから、俺ら付き合おっか」
「は?……はぁっ!?待て!急に何でそうなるの?」
「お前のこと好きみたいだし?お前もイイんだろ」
意味が分からないと顔に書いてあるけど、理解してもらわないとな。
だってさ、絶対に俺のにしたいんだもん。仕方ないよね。
するりと首に腕を伸ばして、悔しいけど背伸びをする。
戸惑いを隠さない潤へと笑いかけて、キスをした。
覚えてる限りだと、俺からするのは初めてだ。
あげちゃった、ハジメテ。
「ふふふ、ね、いいでしょ?」
「……いいけど、アンタ、好きみたいって何だよ」
こっちはとっくに愛してるってのに、バカ。
そのぼやきの、何て甘いことだ。
耳まで若干赤くしといて、むくれる理由が面白い。
とりあえず、早いとこ俺も愛してるって言ってみよう。
反応が楽しそうだし。
そんなことを考え、目の前の体に思いきり抱き着いた。
この男は、俺のもの。誰にも、あげるもんか。