第50章 素直なひと
「ん。相葉ちゃん、好きだぞ」
「こっちは大好きだからね!!」
「こっちも、えっと。愛してるからな!」
二人のえへへーという気の抜ける笑い声が響く。
ちょっとだけ疎外感を抱いてしまう。
ううん、そういうのじゃなくて。でも、何かヤダ。
別に言ってほしいんじゃないけど?
そうじゃないけど、ほら、何というかねぇ?
「なぁ、オレは?好きでしょ」
「そんなの当たり前だろ。好きだよ」
「好きに決まってんじゃん。ねぇ、リーダー」
二人が顔を見合わせ、それからオレを見て笑う。
マズイな、とだけ思った。
耳が赤くなってるか、顔がにやけてるのかどちらかだ。
そういうところに、自分の子供っぽさを感じてしまう。
だから、ほんの少し悔しいんだけど。
それと比べられないくらいの嬉しさもあるから。
どうしようかなと思いつつ、満更でもない自分がいた。
ホント、天然っておそろしい。