第12章 幸村のターン
騒動から2日
幸村は警戒されない様に気を付けながら小田原城の中を歩いていた。
小さく畳んだ自作の見取り図を片手に、隠し通路や怪しい場所がないか時々立ち止まっては観察する。
直美がいる場所は大体検討がついていた。
よほどの混乱状態でない限り、一番安全なのは城主である氏政のすぐ側だ。
(粛清が済んだところで結局は軟禁状態なんだろうな)
廊下はまだ先に続いているにも関わらず、見張りの者がいて先に進むことが出来ない場所があった。
(おいおい、この先に重要人物がいるって言ってるのと同じじゃねーか)
幸村は廊下を戻ると誰にも見られないように見取り図を広げ、見張りのいる場所を確認した。