• テキストサイズ

イケメン戦国 安土城の居候

第35章 小谷城


安土城では光秀と蘭丸の2人が留守番をしながら城を守っていた。


厳重に人の出入りが管理された城の一室で、光秀と光秀の斥候が話をしている。


『毛利元就の動きはとうだ』


『本人はまだ体調が優れず、毎日城にこもっている様です。どうにも退屈らしく数日前に安土から直美様を連れてくる様、伊賀の忍に命令したそうです』


『やはり思った通りだな。早めに安全な場所に避難させて正解だった』


『では、直美様は今どちらに?』


斥候からの質問に光秀の動きがピタリと止まる。


『それを知ってどうする?毛利に伝えて褒美でももらうつもりか?もうちょっと頭を使って質問したらどうだ』


『っ!!』


光秀は素早く腰の刀を抜くと目の前の斥候に斬りかかる。


一撃で急所を捉え、目の前にいた斥候は声を上げる事もなく床に倒れていった。


『褒美に目がくらんで寝返ったか。だが俺の目をごまかせると思うなよ。あの世で芝居の練習でもして出直すんだな』


光秀は家臣を呼ぶと後処理を頼んで部屋を後にする。


(こちらの斥候を逆に利用するとは、毛利はますます食えない男だ。少々癪だが今の状況では直美の事を上杉たちに任せるしかない。だが居場所が漏れるのは時間の問題だろうな)


しかし光秀がそう考えていたその時には、すでに直美が春日山城にいるという情報が毛利に漏れていたのだった。
/ 596ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp