第34章 春日山城、再び
そしてその日の夜。
人払いが行われ、とても静かな部屋の中で謙信と2人。
佐助が買ってきた梅干しを広げ、静かに盃にお酒を注ぐ。
『この城の中に間者がいるとは思えぬ。だがくだらぬ噂が広まるのが思ったより早かった。しばらくの間は安全のため昼間もこの部屋で過ごせ。出来るだけそばにいてやる』
万が一の事を考えたらこんなに心強いことはない。
『わかりました。お気遣いありがとうございます』
きっと織田軍のみんなも安土を守るために頑張っている。
自分も迷惑をかけないように今出来る事を頑張ろう、そう心に誓った。